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本について

 

サハリン、またの名を樺太。
 

    北海道の最北端の宗谷岬からサハリン最南端のクリリオン岬まで、わずか四十三キロに位置するこの島の存在は、一般的にほとんど知られておらず、現在日本で発行される世界地図では南極大陸と共に、どこの国にも属さない真っ白な空白の土地となっています。
 

1905年より約40年間日本の統治下にあったこの島は、1945年夏、ソ連軍の侵攻によりその支配下となりました。その後、ほとんどの日本人が引き上げていくなか、様々な事情で帰国を断念し、この島に残留した人々がいました。そして、その多くは女性でした。
 

本作ではそんな彼女たち(1945年以前生まれの”一世”たち)を中心に、2009年、2013~2017年にかけて撮影した写真とともに、滞在中の交流やインタビュー原稿を併せ構成します。

  この島が日本からソビエト、そしてロシアに変わった今でも、彼女らはそれぞれの文化や、家族を持ちながら生き続けます。その存在は私たちに何を問いかけてくれるのでしょうか。



  『サハリンを忘れない』 
 日本人残留者たちの見果てぬ故郷、永い記憶
(DU BOOKS)


文・写真 後藤悠樹  A5版/並製/288ページ
(オールカラー) 
2018年2月23日刊行

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後藤  悠樹
GOTO HARUKI

1985年生まれ。日本写真芸術専門学校卒業。
2006年よりライフワークとしてサハリン(樺太)の撮影を始め、定期的に長期滞在を繰り返す。サハリンでは、1945年以前生まれの邦人家庭を中心に取材を続け、被写体に寄り添うようなスタイルで写真とともに原稿にて作品の発表をする。2018年「サハリンを忘れない 日本人残留者たちの見果てぬ故郷、永い記憶(DU BOOKS)」刊行。2014年には北海道大学の研究者との共同プロジェクトを発足し、その成果物として2016年「サハリン残留 日ロ韓100年にわたる家族の物語 高文研 (主に写真担当)」を刊行(2019年には、韓国にて翻訳出版)。

写真展では、「その歴史のつづき 樺太からサハリンへ2009(Juna21 新宿・大阪ニコンサロン2010)」にてデビュー。近年では、「
Всматриваясь в Сахалин(邦題 サハリンを見つめて)」(サハリン州立美術館 2018)、「サハリンを忘れない」(神楽坂セッションハウス 2018)、「春が来るまえに」(新さっぽ ろギャラリー 2014)、「降りしきる雪、その一片が人を 満たすまで あれから三年─ MONEHT ─」 (Juna21 新宿・大阪ニコンサロン2013-2014)などがある。広告写真家のアシスタント、アパレルカメラマンを経て、現在写真館勤務。

メディア

北海道新聞、日本経済新聞、朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、ほぼ日刊イトイ新聞、共同通信社、週刊文春、MILK(香港)、ロシア国営テレビ、NHK、NHKラジオ深夜便、FM新札幌、TBSラジオ、O.tone、大貫康雄の伝える世界(ニコニコNOBORDER) 、誰も知らないカラフト物語(BSフジ) 、サハリン残留 家族の歳月(BS1スペシャル:資料提供)など。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
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